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ガッパ

対馬のあちこちにガッパにまつわるハナシがある

明治33年(1900)生まれで昭和51年1月に76歳で亡くなった祖父は、煙草も酒も飲まないが、孫ぼんのう?(こんな言葉はないだろうが・・・)で優しい爺様だった

その爺様から聞いたハナシだが・・・・

ある時、山だしの手伝いを頼まれたゲナ
(山だしとは、山で切った杉や檜を平地に出すことから「山だし」という)
山から引っ張り出した材木を馬で引いて馬車まで運ぶ途中、馬が立ち止まって前に進まんので、よく見たら近くに子どもたちが遊んでいたゲナ
爺様は、こげえなとけえ、コノソレん(子どもたちが)居るはずはないと思うたゲナ
それでも「こらぁ、オシダー(おまえたち)、そこをどかしや! あぶねえやねえか!」とおらんだ(叫ぶ)ゲナ
子どもたちは遊びを止めて道を空けたゲナ

暫くして、次のオッサマが同じように材木を馬に引かせて来た時も子どもたちは遊んでいたゲナ
しかし、そのオッサマは子どもたちに声をかけないで馬車まで材木を引いて行ったゲナ

それから何日かして、そのオッサマの足が痺れたり、痛うして動かれんようになったゲナ
病院に行って医者に診てもらっても原因が分からんやったゲナ
足が痛うして動きもできんオッサマは、人様のススメもあって祈祷師様に拝んでもろうたゲナ

祈祷師様が言われるには「オマエさまぁは、材木でガッパん子の足ば引いとる」
「そんガッパん親がハラカイテ、オマエさまん足ば同じようにしとる」
「ガッパん好きな赤飯ば炊いて、棲家ん渕んとけぇ、供えませ」と言われたゲナ
早速そのオッサマは嫁さんに赤飯を炊いてもらい皿に盛ってガッパの棲家になっている
「渕」にお供えしたゲナ
そしたらたちまちオッサマの足は前と同じように痛くもなし、動くようになったゲナ

「熊爺も同じように材木を引いたとに、なしてワシだけがこげぇな目におうたちゃろうかのう」とオッサマが言うたゲナ
「そういや、あん時、子のそれん遊んどったけ、危ねぇけ、そこをのかしやチおらぁ言うたのう、それん良かったかものう」熊爺は答えたゲナ

またある日、いつものように爺様は馬に乗って田畑に行く途中、大きな渕がある付近で
馬がたちどまったゲナ
「ハイ、ハイ、シッ、シッ!」と馬の尻を手綱の先で叩いても馬は立ち上がって前に行こうとしなかったゲナ
そこで熊爺は、先日のことを思い出したゲナ
「ははぁ、またガッパん道ん真ん中で遊びよるな」
「ホラ、ホラ、分かったけ、そこをどかしや!」と言うたゲナ
すると間もなく、馬は何事もなかったように前に進み始めたゲナ

雨が降る晩に炬燵の中で真面目な顔で話す熊爺のハナシに聞き入る幼い頃の私がいた
そのハナシを聞いてからは、野小便をするときも、深い渕がある通りを歩くときや、なんとなくボンノクソ辺りが「スーッ」とするような場所を通るときには今でも
「そこのけよ、今から通るぞ!」と独り言を言うようになった

対馬のガッパについては、「大石武著 島の故事探索(三) 伝説散歩・八幡の島」に詳しく載っている
氏もその本の中で対馬のガッパについて書いているが、一般に言う背に甲羅を背負い、頭に皿があり水掻きを持ち、くちばしが尖った「河童の絵」でみるような河童ではないと
私も思う

説明が出来ない事象や怪奇現象等を含めてガッパのせいと言っている
例えば、ある人が道端で美味しそうに馬糞をほおばっている
通りすがりの人が怪訝に思い「オマエ様は何ば食いよっとね?」と尋ねると
「こんなウメェ饅頭が他にあるもんな、ひとつやるけオマエ様も早よ食いなされ」
その人の家族に事情を話し、「拝んで」もらうことに
そしたら、その人に「ガッパが憑いていた」ゲナ・・・とか

この馬糞饅頭バナシはどこかで聞いた(対馬以外で?)ハナシを孫の私に面白おかしく
話したのかもしれないが、今それを確かめることはできない

次のハナシはご本人から直接聞いたハナシである
夜道を帰宅途中の人が自宅に帰ってこない。家人は心配でならない
本人は朝、目を覚ましたら自宅から遠く離れた所で丸太を抱いて眠っていたゲナ・・・とか


とらえどころのないような男のことを「あいつはガッパや!」といったりした

タヌキやキツネがいる地方では「タヌキやキツネに騙された、取り憑かれた」というハナシになるのだろが
タヌキもキツネもいない対馬ではみな、ガッパのせいにしてしまう
ガッパにとって迷惑なハナシである

対馬の川
IMG_0951 (640x474)


        ――――― 写真は本文とは関係はありません ――――――

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非公開コメント

昔は怖い話だね。。。

おはよう~

ハハハ って つい笑ってしまったヨ 思い当たる話を年寄りから聞いた事があるね~
ガッバ伝説は対馬だけではなかっただろうね~ 河童君が喜びそうなお話!! ありがとう~ 面白かったよ~

お前様の爺さんには ガッパが見えていたのだろうが 次のオッサマには見えなかったのだろう
思いやりの心と 優しさを持っていたお爺さんの孫でよかったね

対馬では 何故 河童と言わないでガッパって云うのだろうか ? 訛ったのか? お化けの総称なのかネ????

現在 13度 薄曇りだけど 晴れるとの予報。。。 日中は暖かくなるもよう。。。

むかしバナシ

pegaさん
おはよ~
上等天気の対馬です

爺様の話を聞いてからすでに半世紀以上は経っているばってん覚えとったよ

若い頃、弟と二人、電機の燗つけ器では間に合わんもんやけ牛用の湯釜の中に一升瓶を突っ込んで飲みよったら爺様が言うには
「オシダァ、そりゃ晩酌ちはゆわんばい、大酒飲みたい」 ^^;

対馬のガッパについて、今、手元にある資料や図書では、先に紹介した「伝説散歩・八幡の島」に四話、
「対馬の自然と文化(復刻版)」の対馬の昔話と伝説に「島左近と がわっぱ」の話が載っている
あの戦国武将とガッパのハナシは面白い

「美津島町誌」の昔話の中に三話と対馬のガッパ話しの特長についての記述がある

「豊玉町誌」には残念ながら「民話や昔話」にまつわる項目がないみたい

後の旧4町の「町誌」を持ってないので機会があれば調べるつもり
また大石武氏の本に出てくる「上対馬のむかしばなし」を残念ながら持っていない

下のアドレスは「対馬のびっくり箱」  ガッパの話が書いてある

http://blogs.yahoo.co.jp/taisyuu_torayama/960393.html

いつか又ガッパの話を書いてみっけ・・・

晩酌前のひと仕事…てか!

HNを最初は【ガッパ井戸】としとったっちゃばってん、内地ん人には意味が分からんめぇ~ち
思うて、ポピュラーな【河童】に変えたっちゃ…!(笑・汗)
久田と久田道の境にあった【ガッパ井戸】、小学校の頃、厳原ん子はそこまで行く事が
とてつもない大冒険だった時代の思い出からHNにした次第で~す!

のん兵衛、コッポーもん、とらえどころは簡単な男でありま~す(爆・★凹★)
A型、双子座、猪年生まれの特性も備えております!!

アン様のガッパの昔話、興味深く読ませてもらいました。爺様の話に聞き入ってる光景を
思い浮かべるだけでも、"ホンワカ"幸せ気分になりますねぇ…!
もの心ついた時にはいつも一人だった河童にとって、何とも羨ましい光景でもあります。

※添付されてる写真の川は、鮎戻しの川かねぇ…??

ガッパ井戸

久田道のガッパ井戸は、いつやったか河童ちゃんのリクエストに応えたミッキーが書いていたよね~
pegaさんへのレスに書いたように対馬のガッパ話はいろいろあるようやけ、いつかまたネタにしてみるけ・・・

河童ちゃんのHNの由来もよ~~わかったよ (*^_^*)
小学生の頃は同じクラスの子としか遊ばんやったもんね~
根緒の松ちゃんを覚えとうね?彼の家には小学校の時、歩いて遊びに行って
伝馬船で根緒島まで行って帰りは潮と風に流されて帰りきらんとこを漁船に引いてもろうて
ようやく岸にたどりついた思い出があるよ

府中は何クラスあったね?一学年に五学級くらいあったちゃないね?
うっとこは、三クラスやった ほかんクラスん子とは遊ぶこつはなかったなあ・・・

>※添付されてる写真の川は、鮎戻しの川かねぇ…??

ハイ、仰せのとおりでございます 吊り橋の上流の写真です

昨日の仇が討てるかのぉ…(汗)

昨日、何回送信しても【不正な投稿】との判断がされて、今日も似たような内容で書き込んだばってん
ヤッパリ駄目バイ。試しにこのメールだけ送信するけんね…(お騒がせ・謝・汗)

なんでだろうね?

河童ちゃん
おはよ~
昨日の夕方、急に韓国からの来客があり鶏知の居酒屋で飲んでお決まりのコースで?府中へ
レスが今朝になってしまった

なんでだろうね? めーる、確認しました メールの内容と同じやったら別に問題ないとに・・・
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テマドハルベ

Author:テマドハルベ
団塊世代、もうすぐ後期高齢者。
花鳥風月、なんでもありのブログです。

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